★フランスで折紙を教えている内田陽子先生に原稿をいただきました。

海外で
海外で生活をしていると、思わぬ機会に、おりがみを教えて欲しいと頼まれることがありませんか。教えたことがないから、何もわからない、と心配するよりも、それが新しい楽しみになることを願って、おりがみを使った交流ができるように、おりがみ教室の準備と進め方をまとめて書いてみます。

これは、私の試行錯誤の結果で、学術的な研究結果ではありません。もちろん、こうしなければ、うまくいかないということもないし、もっと別のやり方もあるはずです。ですから、これをもとに考えて、試した結果を教えて下さったら、また私たちの楽しみは広がっていくはずです。この文を読んで感想や、ご意見があったらまたお知らせください。


教室のプランを作る前に考えてほしいのが
1. だれに教えますか
おとな、子ども、お年寄りですか。子どもは何歳ぐらいですか。
これは、年齢によって、教室での、説明のしかたを変える必要があるということです。子どもでも、年齢によって、できることが違いますから、8歳くらいを基準点に考えて、説明方法、折るモデルを選んでいきましょう。

私の経験では、海外でおりがみをやったことのない大人は、12歳の子どもぐらいのレベルだと判断して、はじめは簡単なモデルを折ってみて、その出来具合から、その教室の進め方を決めるようにしています。準備を整えることは必要ですが、臨機応変に、変えていくことも必要な場合もありますから、はじめに決めたことが、うまくいかなくてもへこたれないで、最後まで続けてください。
お年寄りの場合も、年齢と、意欲があるかどうかで、教室の盛り上がり方が全然違います。老人ホームでは自分で折れないような人も参加することがあるので、その時は介護の人と一緒に、共同作業の楽しみを感じられるような進め方をしてみてください。

2. 生徒は何人くらいですか。
少ないほうが、もちろん教えやすいのですが、簡単なもので、説明だけでわかるようなものだったら、たくさんの人数でも教えることができます。つまり、手を貸してあげなければならないようなモデルは、大人数の時は選ばない方がいいということです。1人に10秒説明すると、30人いれば、5分かかりますから、その間に終わった子どもは遊び始めたり、動きはじめるので、たくさんの子どもがいる場合には収拾がつかなくなる場合があります。自分ひとりで教える時は10人以内、それ以上の時は、お手伝いの人をお願いするようにしています。

3. 初心者ですか。
これは、モデルを選ぶ場合に必要な情報です。自分ひとりで、興味を持って、本やインターネットで見つけてたくさん折った経験があるという人にもよく会います。初心者用のクラスにそのような人が来ると、簡単すぎてがっかりしたり、時には教師が簡単なものしか知らないに違いないと、馬鹿にする態度を取ることがあります。そんな時は、落ち着いて、お上手ですね、とほめて、今日は初心者のクラスだから簡単すぎてもがっかりしないでね、と言ってください。難しいところでは回りの人を助けてあげてくださいね。と言い添えるととてもよいアシスタントになってくれることがあります。だから、無視したりしないで、逆に親しくなれるように試してみてください。(これはフランス的な態度かもしれませんね。)

4. 時間はどのくらいありますか。
子どもの時は、集中できる時間が限られているので、あまり長い時間を設定しない方がいいでしょう。ひとつのモデルに15分くらいを考えています。大人の場合も同じように、説明の時は集中して聞いてもらって、そのあとの自分で折ってみる時は回りの人と話しあってもいいと、いうようにしてます。学校の授業だと、教室内がうるさくなるのは許されないので、その時はおしゃべりをしないように注意したり、担任の先生にも参加してもらうようにします。1時間半の初心者用アトリエで、一つの基本の折り方を展開させていく方法で、6モデルを用意していけば十分まにあうでしょう。私の経験では、1時間半で4種類くらいしか、できないこともよくあります。

5. モデルを選ぶ時は。
自分で折りながら、折り方の説明を頭の中でしてみましょう。簡単すぎるかな、と思われるモデルから始めると、参加した人たちもよくわかって、自分にもできると心理的に楽になります。おりがみに難しさを盛り込むよりも、簡単で楽しいものと意識したほうが、一般向けのクラスには向いていると思います。

おりがみくらぶのページから、難易度をみながら、モデルを選んでみましょう

私たちには、至極簡単に思えても、おりがみを初めて折る人には、正方形を半分に折ることから始めなければならないことも多くあります。

むずかしいモデルは、アシスタントのような手助けをする人がいるか、中級以上の時に選びます。母親と子どものグループ作業の時もあるかもしれませんから、そのときは、両方が楽しめるようにと考えますが、子どもが1人でできるようになって欲しいというモデルを必ず入れたほうがいいと思います。

6. 紙はどうしますか。
折り紙用の紙が手に入りにくいので、よくA4サイズのコピー用紙を正方形に切って使います。少し厚めですが、複雑に小さく折らないときはこれで十分、残りもまた小さな正方形にしたり、半分に折って、作った折り紙を貼り付けたり、使い道はいろいろあります。小さな子どもには、このくらい大きい方が折りやすいとも思います。
クリスマスの時は、市販の包装紙を使います。折り紙サイズの型紙を厚紙で作って、線を引いて切っていきます。折り紙を始める前に、手作業のウォーミングアップとして、正方形の正しさが出来上がりに関係してきますよ、などとおしゃべりしながら切っていくと、参加者どのくらい器用かわかるので、その後の展開に役立ちます。包装紙で薄いフィルムでピカピカしたものがあるのですが、これはクリスマスの飾りにはぴったりで、皆で力を合わせて、巨大なクリスマスツリーや羽根風船を作るとおもしろいですよ。

7. 必要なものは、紙、のり、はさみ、定規、サインペン。

それでは、教室をはじめましょう。


参加者のみなさんに、日本語でごあいさつをしてみます。日本文化の話をする必要はないかもしれませんが、こんにちは、とありがとう、日本を知ってますか。ポケモンやドラゴンボールの生まれた国ですよ。おりがみは日本語で、どういう意味なのか、とか。大人には、日本では、紙がいろいろなものに使われていて、生活の中で たくさん見られるという文化紹介、など。

大き目のおりがみを持って見せて、これは何ですか、と聞いてみます。

正方形、ということを説明して、半分に折って見せます。きちんと、半分に折ることができない人が多いこともあるので、これは、最初に見せて、きちんと折れるように指導してください。正方形の半分の半分は、また正方形になるとか、正方形の半分の三角の半分は、また三角だとか、算数の時間に習ったことがある子どももいるので、興味をもってもらうために。
大きな声でゆっくりと、難しい説明よりも、モデルを見せながら話せば、必ず分かってもらえるので、あせらず見せてください。子どもはよく聞いてないことが多いので、何度か繰り返して説明して、折れたのを見せてください、というと、皆張り切って参加するように思います。

私が よく使うモデルは みずとり

おりがみを対角線で半分に折る基本から始めて、最後に頭と尾を作るもので、山おり、谷おりを見せることができます。裏表の色が違う折り紙を使うと、簡単なのに とてもきれいで、これに、アコーデオンに折った羽を糊付けすれば くじゃくのようになります。
折り紙教室でその日に折るモデルを、はじめに見せる場合と、教えないで、出来上がった時にびっくりさせる方法とがありますね。対象の人や目的によって、選べばよいと思いますが、事前準備の段階では、全部作っておいて、その教室の主催者や責任者に見せておくと、いいかもしれません。

おりがみは、誰にも始められて完成させられるものです。折り紙の紙でなくても、正方形の紙があればいいので、新聞紙や宣伝のチラシなどを使うこともあります。また、白い紙に模様を描いて折ってみたり、折り上がったものに色をつけたり、そのときによっていろいろ試してみます。折り紙用の紙が簡単に手に入らなくても、身の回りの紙を正方形に切れば使えると気づかせるのは、一人でも続けるために役立つと思います。

それでは、皆さんの番です。どうぞ楽しい折り紙教室になりますように。

内田陽子(フランス在住)yokouco@wabadoo.fr
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