●第1回(04.1)掲載
海外だより
海外で折り紙を教えている先生やサークルを紹介しま
フランス
内田陽子さん
初めまして。フランスからお便り差し上げます。
アヌシーの紹介
 こちらは、フランスアルプスにも近い、スイス、イタリアの国境に接した オートサヴォア県のアヌシー(ANNECY)という町です。ヨーロッパで一番高いモンブランの麓のシャモニーまでは80キロ、フランスに接するスイスのジュネーブまでは40キロに位置していて、冬になるとスキーをするために たくさんの人がやってきます。
 アヌシーの町は、標高450メートル、周囲50キロの細長い湖に面しています。 湖はアルプスの山から流れ出る地下水で、ヨーロッパで一番 水が汚染されていないことで有名です。 歴史的には、この地方は19世紀の中ごろにフランスに統合されるまでは、北イタリアの国々との交流も盛んで、町の雰囲気は、建物に色が塗られていたり、建物の1階がアーケードになっていて、旧市街と呼ばれる古い町の中には運河が流れているので、アルプスの中の小さなベニスと呼ばれることもあります。
人口は町と周辺地域をあわせて 15万人くらい、観光、スポーツ産業、精密機械工業が発達していて、フランスの中でも経済活動の発達した地域のひとつです。もちろん、町を出ると山には牧草地が広がり、酪農も盛んで、ロブロッションと呼ばれるチーズが名物です。 冬には、そのロブロッションチーズとジャガイモで作る タルチフレットというグラタン料理をよく作りますし、チーズフォンデュ、ラクレットというチーズを溶かしながら、ジャガイモや生ハムと一緒にたべる料理も、日本の鍋料理のように楽しまれています。
夏は避暑に、冬はスキーにと、一年中旅行客の絶えない場所で、湖の回りにはミッシュランガイドに紹介されるような 有名レストランやホテルが多く、今の季節はクリスマスを過ごす人が集まり、夜になると イルミネーションあふれる町はにぎわいます。
ご紹介する景色は、湖の周りの風景、冬至に近い時期には、日の出は朝8時半ごろで、4時ごろから薄暗くなり始めます。朝もやの湖と、その湖畔の公園とパキエ広場の間の 愛の橋 (ポン デザムール、PONT DES AMOURS)からの景色が好きなので 撮ってみました。 細い運河に 夏の間はボートがつながれる杭だけが 今の季節には見えるだけで、その向こうに この愛の橋が見えます。
運河の中洲に作られた、古い牢獄跡の建物は、アヌシーの顔のような場所で、日中はいつも観光客が耐えないところです。町を歩くと、ヨーロッパのいろいろな言葉が聞こえてきます。ヨーロッパ統一後は、移動が自由になり、貨幣も統一されて、本当に旅行するのが便利になったと 私は思うことが多くなりました。 (次回につづく)
←アヌーシーの町
(写真をクリックして下さい)大きな画面で見れます)

内田陽子さん
●内田さんに無理をいつて折り紙の話だけでなく、フランスの田舎はとても綺麗といわれるので、風景の写真と町のことも書いてもらいました、次回は子供達が折り紙を折っている姿など掲載します。
●内田さんのメールアドレス
yokouco@wanadoo.fr
●第2回(04.2)掲載
海外だより
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フランス
内田陽子さん
初めまして。フランスからお便り差し上げます。
フランスの小学校
フランスの小学校と日本の小学校を比べてみると、いくつか違ったところがあります。まず、小学校は6歳から11歳くらいまで、同じ学年を2回することもあるので、同じクラスに2,3歳年の離れた子がいることもよくあります。学期は9月に始まって、6月に終わります。水曜日は学校が休みで、土曜日は休みの時もありますが、半日で終わります。朝は8時半ころから始まり 午前の授業は11時45分まで、午後は13時半から16時半まで。お昼は学校の食堂か家で食べるか、年度の初めに選ぶことができて、学校と家の離れている子供は、誰かが送り迎えしなければなりません。ひとつの学級は20人程度で、日本と同じように 一人の先生が全部の教科を教えます。
教科は、フランス語の授業が多くて、つづり字を覚えたり、動詞の変化を覚えるのがたいへんなようで、日本で漢字の練習をするように、繰り返して練習しているのをよく見かけます。 教育の仕方は、先生がとても厳しい半面、自主性も発達するような教育方針なので、8,9歳でもとても自己主張が強いというのが、私の感想です。音楽や美術、体育などは学校教育の中では、あまり重要視されてなく、それに興味のある子供は、学校のない水曜日に、個別に習っているようです。

おりがみは、これからご紹介する小学校の放課後活動の中で、宿題クラスの気分転換作業がおりがみとして提案されています。放課後活動は、16時半になってから、18時まで、学校に残って授業とは違う活動をするもので、だいたい毎日 50人くらいが参加します。

折り紙活動
宿題と折り紙クラスは、生徒自身が選んでやってきます。曜日によって人数が違うのですが、今学期は、8人から20人くらいがやってきて、16時半におやつを食べてから、1時間をその二つの活動をして過ごします。 宿題だけ1時間するのは、長い授業の後で疲れているから、楽しんで遊ぶものも やってみようということなのですが、とこどき 疲れすぎて子供たちが全員機嫌が悪い日などもあって、私たち指導係は1時間の活動でも ぐったり疲れてしまうこともあります。一クラスに3人指導係がついて、その人たちは教育、子供の活動の専門家もいれば、退職した人、彫刻家や音楽家、ガーデニングの専門家もいて、毎年、学期中に15クラスくらいの活動が提案されています。 ダンス、パーカッション、パントマイム、ビデオを使ったルポルタージュ、工作、植物栽培、料理など、そして宿題クラスも学年別に組織されています。 
折り紙の活動は、8歳から11歳くらいの子供のクラスで、学期の初めに、とても簡単なものを折ってみて、その子供たちと どんなものを折ることができるのかをチェックすることから始めます。日本では信じられないでしょうが、紙を折った経験がない、手作業をしたことがない、という子供も多くて、半分に折ることの意味から説明しなくてはならないからです。そして指を使う、紙を押さえる、ということも、こまかく教えていきます。そこで、作る喜びを見出す子供、逆に 面倒な手仕事なんかしたくないと 拒否反応を示す子供もいるので、そんな時は、飛行機を作ったり、きれいな紙を使って、気持ちを向けるように誘います。 
写真の中で持っている ドイツ人作家の本のフランス語版を使って、私は練習したのですが、言葉で書かれていることが、折るために役に立たない(つまり読んでも誰もわからない)ので、日本の幼稚園児用の本や写真が使われた本が人気があり、日本語でも、絵、写真いりで説明されているものを 見ながら 学年の終わりになると、一人で作れるようになる生徒も多くなります。

私がこの折り紙で伝えたいのは、指を使って正確に 忍耐強く仕事をする態度、と 自分でいろいろ発展させるような知恵をつけること。学校の成績に関係なく、だれでも ゆっくり 続ければ到達できるものなので、達成感や自信を持たせることになると思っています。 とはいっても 一日の終わりで、時にはすごく興奮していて、聞き分けのなくなっている子供を前に、楽しい折り紙であり続けるのは、時には難しいのですが。
今学期は、騒ぐ子供が多くて、あまり実り豊かではなかったのですが、10月にはハローウィンの準備、11月は カードつくり、12月はクリスマスデコレーションとテーマを作って 折るものを決めていきました。 写真には、組み合わせて作る星を飾ったクリスマスツリーをいれました。
今回 写真を撮ったときは、12月のクリスマスの準備をし始めたときで、折り紙がしたくないと 本を読んでる子供もいます。
来年は カーニバルがあって、そのテーマがケルト文化。中世の物語の中に出てくる森をテーマに なにか作れないかというのが、私たちの課題で、中世の森に住んでいたと言われる 一角獣、ライオン、狐やウサギなどの動物と、森の木々を折り紙で作ってみようかと考えているところです。

折り紙は、日本の伝統というより、紙を使う芸術的活動として、広く知られていますので、伝統的な日本の物を折るよりも、創作的なものや、フランスで見られるものを形にしていくほうが、作る楽しみを与えられるように思います。今年のクリスマスは 自分で作った折り紙つきのカードを送ったり、折り紙のクリスマスツリーでクリスマスのテーブルを飾る生徒たちがいると思うと、大変だったことは消えてしまい、また来年もがんばろうという 気持ちがわいてきます。
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